草の根レベルの目標:(5)ビジネスの領域でとるべき行動
個人は自ら選択できるショッピングや消費を通じてビジネス企業の責任ある行為を刺激することができる。つまり、公共の利益に献身する企業をひいきにする一方で、自身の利益や成長にだけ関わり続けるような企業を無視し、積極的にボイコットすることができる。企業の株式を購入できる人ならば、"社会的投資"を実践することもできるのである。株主組合(shareholder association)に参加して、株主総会では社会および自然環境における企業の責任問題について提起すれば、わずかな株式しか持っていない株主でも企業経営の実践に影響を及ぼすことができる。
株主として、あるいはクライアント、顧客として、あるいは単に企業が立地する地域コミュニティの関係者として、すべての人々はビジネス企業に以下のようなことを要求することができる。
・企業が、その製品、サービスに関する長期的な利益、コストについて正確に、誠実に公表すること。その安全性、永続性、社会的影響、環境に与える毒性、再利用可能性、リサイクルの可能性について報告させること。
・環境汚染や環境に与える損害を軽減し、企業の生産過程、その製品の供給と流通の流れにおける排出物を最小限に抑えるべく積極的に努めること。
・事業の目標や目的を明確にする際には、企業の従業員の意見を聞くこと。
・パートナーや連携先として倫理感ある企業を優先すること。また、従業員、顧客、企業が立地する地域コミュニティに対して不当にふるまう企業、環境を破壊する企業を拒むこと。
・従業員の生活に積極的に関心を寄せ、従業員の懸念を見出し、彼らの要求を理解し、彼らの個人としての発展に寄与すること。
・企業が立地する地域コミュニティにおいても、同様に従業員の生活に積極的に関心を寄せ、その従業員がソーシャルワークや地元の環境改善に携わるのを奨励すること。